インド陸軍登山隊、エベレストで大規模な「ごみ収集作戦」
(CNN) 豊富な登山経験を持つインド陸軍の兵士ら計34人が今年の5月半ば以降、世界最高峰エベレスト(約8850メートル)で登山家らが放置したままの「ごみ」を収集する作戦に従事することになった。インドの地元メディア「インディア・トゥディ」が伝えた。
チームはネパールの首都カトマンズへ4日に出発。登攀(とうはん)は5月半ばに開始する。ごみ集めは高さ約6000メートルにある「キャンプ1」の地点から頂上付近までで実施し、少なくとも4000キロ分の収集を目指す。
今回の作戦は、インド人登山家チームによる初のエベレスト制覇から50周年を迎えたことを記念したもの。
インディア・トゥディによると、インド陸軍チームの責任者は「悲しいことだが、エベレストは世界で最も高い所にあるごみ捨て場になった」と慨嘆。古い空気ボンベ、テント、缶、小包み、装備品や登山用器具などが散乱していると述べた。これらごみは登山家らが数世代にわたって残したものとされる。
アジアの登山関連サイトによると、エベレストの清掃に当たる試みは複数行われている。2008年以降、毎年1回実施されているキャンペーンでは、新たに生まれるごみの他、以前に投げ捨てられていたごみも拾って下山している。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、ネパールの観光行政当局は昨年、エベレストの登山客に対し自ら出すごみや排泄(はいせつ)物の他、放置されていたごみ約8キロも持ち帰ることを義務付けた。
ユネスコの世界遺産にも含まれるエベレストで登頂などに挑み、死亡した登山家らはこれまで200人以上となっている。