ISIS傘下組織、拉致のクロアチア人男性を斬首で殺害か
ザグレブ(CNN) クロアチア人男性がエジプトで過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」傘下の組織に拉致されていた事件で、イスラム過激派の情報収集に当たる米企業「SITE」などは12日、インターネット上に投稿された画像について、この男性が斬首により殺害されたものとみられると発表した。
CNNでは画像の信ぴょう性を確認できていない。クロアチアのミラノビッチ首相は「100%の確証はない」とした上で、「我々が見た限り状況は良くない。恐ろしい事態だ」と述べた。
クロアチア政府などによると、殺害されたとみられるトミスラフ・サロペク氏は7月22日、カイロ近郊で拉致された。武装集団が通勤途中の同氏の車を停車させ、身柄を連れ去ったという。
8月5日に配信されたビデオで、ISISのシナイ半島の下部組織を名乗る集団が、エジプトに収監されているイスラム教徒の女性を48時間以内に解放しなければ同氏を殺害すると脅迫していた。
ビデオ内では、サロペク氏を名乗る男性がつなぎ姿で、迷彩服とマスクを着用しナイフを所持した男の前にひざまずきメモを音読。7月22日に拉致されたほか、フランスの企業に勤めていると述べた。同企業のエジプト支社はこの男性について、同社の下請け社員サロペク氏とみられると確認した。
クロアチアのグラバルキタロビッチ大統領はアドリア海沿岸スプリットで、「トミスラフ氏が生きているとの可能性がわずかでも残っている限り、我々は捜索を続ける」と述べた。一方、ミラノビッチ首相は「他国の市民に起こったことが不幸にしてこのクロアチア人の身に降りかかったと懸念される」と悲観的な見方を示した。