オバマ氏、海外の人質事件対応へ大統領特使任命 米史上初
ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスは30日までに、オバマ大統領が海外で発生した米国人人質事件の処理の責任を担う大統領特使に元国務省高官のジェームズ・オブライエン氏を指名する方針を明らかにした。報道発表文で述べた。
この職務を持つ大統領特使の新設は初めて。オブライエン氏は、マデレーン・オルブライト元国務長官の上位顧問を務め、ボスニア紛争の和平調停役などに当たった経歴を持つ。
オバマ氏は今年6月、同特使のポスト創設を発表。昨年、複数の米国人人質が過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」などに殺害され、人質の救出方法の見直しを迫られた結果だった。6月時点で、海外で拉致された米国人人質は30人以上となっていた。
ケリー米国務長官は、オブライエン氏は高水準の外交交渉経験と複雑な問題の打開策を見いだすことを求められる職務にまさにふさわしい人物と評価。オブライエン氏は特使として、人質の家族との接触、人質解放のための効果的な戦略を見いだすための外国指導者や米の政策立案者との折衝に当たると述べた。
また、米政府による人質の解放努力の中心的役割を果たす関係省庁間のチームとの密接な共同作業を進めるとも語った。
米国人人質の家族が抱く不満で多いのは、人質の拘束場所を特定し、救出作戦を進める上で外国政府を説得する立場にある特使の不在だという。
オブライエン氏の現職はコンサルティング企業の副会長。