サウジ、イランと国交断絶 シーア派指導者処刑で対立激化
サウジとイランの敵対関係は近年、近隣諸国を舞台にした紛争でさらに悪化している。イエメンでは、イランの支援を受けるシーア派武装組織「フーシ」への空爆をサウジが主導。シリアでも、アサド政権を支持するイランに対し、サウジは同政権の打倒を主張する。
ニムル師の処刑に抗議するデモは3日も続いた。イランに加えてイラクでも、シーア派指導者サドル師が首都バグダッドのサウジ大使館前に立って抗議を呼び掛けた。シーア派のマリキ副大統領も「ニムル師を処刑した罪によってサウジ政権は滅びるだろう」と述べた。
レバノンのシーア派組織ヒズボラも、ニムル師の処刑は暗殺に相当すると非難している。イランの国営プレステレビによると、ヒズボラの最高指導者ナスララ師は、サウジ政権が「正気を失い、奈落の底へ落ちた」と語った。
米国務省のカービー報道官は3日、「地域の指導者らに対し、緊張緩和に向けた積極的な措置を取るよう引き続き働き掛けていく」と表明した。