ガリ元国連事務総長が死去 93歳
92年に国連の第6代事務総長に就任。在任中はルワンダ虐殺やアンゴラ内戦、旧ユーゴスラビアの民族紛争などの問題に取り組んだ。
予防外交と平和創造、平和維持などを柱とする報告書「平和への課題」の執筆でも知られる。
しかし国連予算の削減や旧ユーゴのボスニア情勢をめぐって米国と対立。米国が同氏の再選に拒否権を行使し、歴代事務総長の中で最短の1期5年で退任した。後任には同じアフリカ出身のコフィー・アナン氏が選出された。
ブトロス・ガリ氏は退任後も、フランス語文化圏に属する国と地域で構成する国際フランコフォニー機構(OIF)の事務局長や、エジプト人権委員会の総裁として活躍を続けた。
同氏の訃報(ふほう)を受け、エジプトをはじめとするアフリカ諸国などから相次いで追悼の言葉が寄せられた。
ケニアのケニヤッタ大統領はツイッター上で「平和への課題」を「後世に残る遺産」と称賛し、遺族に哀悼の意を表した。
アハラム電子版は、シーシ・エジプト大統領が「国際法、人権、社会並びに経済の発展」の各分野にわたる同氏の功績をたたえたと伝えている。