EU離脱か残留か、英国で国民投票 賛否は依然拮抗
論争は治安、主権、移民など幅広いテーマに及んだ。ジョンソン氏の後任のロンドン市長で残留派のサディク・カーン氏は「離脱派がうそをついて国民を怖がらせている」と批判、米国などの同盟国や、EUおよび北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もすべて英国の残留を支持していると訴えた。
対するジョンソン氏は、不安をかき立てているのは残留派の方であり、離脱派は「希望」を与えていると反論。「離脱に票を投じれば我々の国を取り戻せる」と訴えて喝采を浴び、「この木曜は我が国の独立記念日になるかもしれない」と力を込めた。
残留派を率いるキャメロン首相は同日、ブリストルで開かれた集会にメージャー元首相とともに参加して「もし経済成長と雇用増大を望むなら、一緒の方がいい」と演説。続いてバーミンガムの集会にも出席した。
英国では16日、残留を支持していたジョー・コックス下院議員が殺害される事件も起きた。コックス氏の42歳の誕生日に当たる22日にロンドン市内で開かれた追悼集会には、ノーベル賞受賞者のマララ・ユスフザイさんが出席し、「ジョー・コックスの名は平和のメッセージを伝える」と参加者に語りかけた。
ネット検索大手のグーグルは、英国版のトップページにコックス議員追悼サイトへのリンクを張った。