爆弾事件はISIS関与と断定、マレーシアでは初のテロ
(CNN) マレーシア警察は5日までに、首都クアラルンプール近郊で6月に起きた爆弾事件について、シリアにいる過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」のマレーシア人戦闘員、ムハンマド・ワンディ・モハメド容疑者の命令で実行されたと断定した。マレーシアでISISが絡むテロが実行されたのは初めて。
この事件では6月28日、ナイトクラブに手りゅう弾が投げ込まれ、8人が負傷した。
警察によると、事件に関係して実行犯とされる男2人を含む15人が逮捕された。うち2人は警察官で、1人はISIS要員をかくまった疑い、もう1人はISISの資金集めを目的とした窃盗にかかわった疑いが持たれている。
ムハンマド・ワンディ容疑者は、ナジブ首相や警察幹部などマレーシアの要人に対する襲撃を指示していたとされる。
警察は当初、ナイトクラブ襲撃の動機は勢力争いか客同士のけんかだったと見て、テロの可能性を否定していた。しかし後にムハンマド・ワンディ容疑者がフェイスブック上に、襲撃はISISの信奉者によって実行されたとする声明を掲載した。
ISISが2014年、イラクとシリアにイスラム国家の建設を宣言して以来、マレーシア警察は9回にわたって同国に対するテロ計画を未然に阻止してきた。
テロ対策の専門家は今回の事件について、ISISの思想が東南アジアにまで拡大し、確立されていることの表れだと指摘。マレーシアに対する脅威は今後も続くと予想している。