ロシア軍、クリミアで大規模演習 欧米をけん制か
(CNN) ロシア国防省は10日までに、同国が2014年に一方的に編入したウクライナ・クリミア半島などで陸空海の各軍兵力を動員した大規模な軍事演習を実施していることを明らかにした。
「カフカス2016」と呼ばれる演習の期間は伝えられていない。兵士1万2000人以上が参加し、戦闘機による模擬空中戦、爆撃機による海上や地上の標的破壊や地上部隊による上陸攻撃などが盛り込まれている。ロシア軍参謀本部幹部は初期段階の評価として演習は順調に進んでいることを明らかにした。
今回の演習については、クリミア併合問題、ウクライナ危機やシリア内戦などで対立状態が続く米国や欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)をけん制する狙いも指摘される。欧米はクリミア半島併合を受け、ロシアに対し経済制裁を打ち出している。
ロシア国防省の報道官は、演習は挑発が目的でないと主張。以前から予定されていたものであり、「我々の国土への侵略を撃退する軍事的準備の能力を試すもの」と強調した。演習はウクライナと国境を接するロシア軍の南部管区全域が舞台となっている。