韓国裁判所、サムスン後継者の逮捕認めず
香港(CNNMoney) 韓国ソウルの中央地方裁判所は19日、大手財閥サムスングループの後継者で事実上のトップ、李在鎔(イジェヨン)氏に対する検察側の逮捕状請求を退けた。検察は今後も韓国の政界を巻き込む汚職事件に関連して李氏に対する捜査を続ける方針。
検察側は、李氏がサムスングループ内部での権力固めを目的とした合併案件について、政府の支持を取り付けるために巨額を支払ったとして、贈賄、横領、偽証の容疑で李氏の逮捕状を請求していた。
ソウル中央地裁は18日の審理を経て、逮捕状請求を退ける決定を19日未明に言い渡した。
李氏は先週、22時間に及ぶ事情聴取を受け、不正行為は行っていないと主張していた。サムスンも16日に発表した声明で「見返りを目的とした利益供与は行っていない」と強調した。
検察は、李氏とサムスンが2015年、系列会社2社の合併に政府の支持を取り付ける見返りとして、朴槿恵(パククネ)大統領の友人の組織に430億ウォン(現在のレートで約42億円)を供与したと主張している。
李氏は国民年金公団の賛成で合併が実現したことによって、サムスン電子内部で権力を固めることができ、病気がちの父の李健煕(イゴンヒ)会長の後継者になれる可能性が強まった。
国民年金公団トップの文亨杓(ムンヒョウンピョ)被告は、保健福祉相だった当時、サムスンの合併を支持するよう同公団に圧力をかけたとして、先に偽証と職権乱用の罪で起訴されている。