米、シリアの「モスク施設」空爆していた 自軍の調査で確認
ワシントン(CNN) 米軍がシリア北部で3月にモスク(イスラム教礼拝所)を空爆したと伝えられた問題について、米中央軍の調査の結果、米軍が空爆した建物は実際に「モスク施設」の一部だったことが確認された。米国防当局者2人が4日、CNNに明らかにした。
この問題では3月16日にモスクが空爆されて民間人が死傷したと伝えられ、ソーシャルメディアには瓦礫(がれき)の中から運び出される犠牲者の写真が多数投稿されていた。
しかし米国防総省はこれまで一貫してモスク空爆を否定。米軍機や無人機による空爆の数時間後の時点で、被弾したのはモスクから12メートルほど離れた建物で、国際テロ組織アルカイダの集会場所だったと主張していた。
だが国防当局者によると、調査の結果、この建物は過去に宗教目的で使われていたことが判明した。
一般的に、宗教施設や病院、学校などは非空爆リストに登録され、テロリストの占領下にあり民間人がいない状態と認定されない限り、空爆の対象から除外される。
当局者によると、今回の攻撃の時点で米軍はまだ、この建物がアルカイダに使われていると判断したと思われる。ただ、同建物が非空爆リストに登録されていたのか、それとも既にリストから除外されていたのかは明らかにしていない。
当局者の1人は、調査の結果、この建物は当時、主に宗教目的に使われていたことが分かったと話している。
攻撃の翌日、国防総省のデービス報道官は記者団に対し、「現時点で民間人の死傷者が出たとは判断していない」と述べ、「我々の作戦では民間人に死者が出ないよう、特別な措置を講じている」と強調していた。