米、THAADの迎撃実験に成功 ミサイル発射の北朝鮮を牽制
(CNN) 米軍は30日、太平洋上で行った高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の実験に成功したと発表した。2日前に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した北朝鮮に対して、米軍の武力を誇示する狙いがあると思われる。
米軍によると、太平洋上で発射した中距離弾道ミサイルを、アラスカにあるTHAADで検出して追跡し、迎撃した。
国防総省ミサイル防衛局のグリーブス局長は、「脅威の高まりに対して常に先を行く」取り組みの一環だと強調。今回の実験で収集したデータは、THAADの増強に役立てるとした。
米軍によると、実戦を想定したTHAADの実験は今回で15回目。THAADは弾道ミサイルを大気圏内でも圏外でも撃墜でき、短距離、準中距離および中距離弾道ミサイルに対して使用できる。
北朝鮮は、米本土に到達できるICBMを28日に発射したと発表し、米国に対する「重大な警告」だと威嚇していた。
これに対して米国のトランプ政権は29日、グアムにあるアンダーセン空軍基地からB1爆撃機2機を発進させ、10時間かけて朝鮮半島上空を飛行させた。
米太平洋空軍はこれについて、北朝鮮のミサイル実験に対する直接的な反応と説明。「合同能力」を試すため、日本と韓国の戦闘機も合流したとしている。
太平洋空軍のオショネシー司令官は、「我々には、最悪の事態を想定して、同盟国と我が国に対する揺るぎないコミットメントを示す義務がある。必要となれば、我々が選んだ時と場所において、即座に破壊的かつ圧倒的な武力で応じる用意がある」と強調した。