北朝鮮のビール祭り、突如中止に 干ばつ深刻化が原因か
香港(CNNMoney) 北朝鮮で26日から始まるはずだった大同江ビールフェスティバルが、突如として中止になった。観光ツアーを企画していた旅行会社2社がこのほど明らかにした。
高麗旅行社(本社・北京)とヤング・パイオニア・ツアーズによると、23日になって、フェスティバルが中止になったという知らせが届いた。正式な理由は明らかになっていない。
高麗旅行社の幹部は、干ばつの深刻化が中止の理由ではないかと推測し、「干ばつ対策のために働いている人がいるのに、平壌の中流層が楽しく過ごしていたのでは印象が良くない」と語った。
北朝鮮の干ばつについては、国連が先週の時点で、2001年以来の深刻な状況に陥りつつあり、食糧不足が悪化する可能性もあると指摘していた。
北朝鮮では4月~6月にかけて少雨が続き、主食のコメやトウモロコシが不作に見舞われた。
国営の大同江ビール工場が設立されたのは2000年代初め。当時の報道によると、当時の金正日(キムジョンイル)総書記が2000年、経営破たんした英国のビール会社を買収し、工場を解体して平壌に移設した。
同工場のビールフェスティバルは昨年8月から始まり、昨年は1カ月間で平壌の住民や外国人観光客など約4万5000人が訪れたと伝えられている。
北朝鮮のメディアはつい最近まで同フェスティバルを宣伝し、ビールの新製品披露まで予告していた。