ロヒンギャ避難民5万人に、川で子ども含む20人死亡
(CNN) ミャンマーと隣国バングラデシュの国境を隔てるナフ川から31日、少数派のイスラム教徒ロヒンギャ20人の遺体が見つかった。うち12人は子どもだった。バングラデシュ国境警備隊の司令官がCNNに明らかにした。
国連によると、ミャンマー西部ラカイン州からはこの1週間で推定約5万人のロヒンギャが避難している。このうち2万7000人あまりはバングラデシュとの国境を越えて難民キャンプにたどり着き、約2万人は両国を隔てる無人地帯で身動きできなくなっている。
ミャンマーの人権問題に関する国連特別報告者、李亮喜(イヤンヒ)氏は31日、「悪化する暴力の連鎖は重大な懸念であり、緊急に断ち切らなければならない」と訴えた。
ロヒンギャの集団避難は8月25日に始まった。ミャンマー政府はロヒンギャ武装集団による襲撃が相次いだことから「掃討作戦」を強化したと発表している。
バングラデシュ国境警備隊の司令官によると、ナフ川で死亡したロヒンギャの20人は、川を渡ろうとしたボートが沈没した可能性がある。「向こう側には煙が見え、銃声が頻繁に聞こえる。集団流入は日増しに増える一方だ」と同司令官は語る。
国境警備隊は不法侵入を防ぐため、ロヒンギャのバングラデシュ入りを阻止しているといい、1週間前に衝突が始まって以来、推定1000人前後をミャンマーに送り返したという。
武装集団「アラカン・ロヒンギャ救世軍」は30日に投稿したビデオ声明で、ミャンマー当局が子どもを殺害して川に投げ込んだり、女性の体を切断したり、民家に放火するといった残虐行為を行っていると非難。国際社会に行動を促すとともに、バングラデシュに対しては難民を支援するよう求め、無人地帯に取り残された人たちは、助けがなければあと数日で命を落としてしまうと訴えた。