ハリケーンがカリブ海で猛威 死者3人、「壊滅」の島も
(CNN) 観測史上最大級の勢力をもつ猛烈なハリケーン「イルマ」が6日、カリブ海北西部の島国を直撃し、各地で壊滅的な被害が出ている。アンティグア・バーブーダのブラウン首相は地元放送局の取材に対し、「バーブーダは文字通りがれきと化した」と語った。
イルマは5段階で最も勢力の強い「カテゴリー5」に分類され、中心部の風速は約83メートルと、大西洋上で観測されたハリケーンとしては史上最大級。6日にかけてアンティグア・バーブーダや仏領サンバルテルミー島、サンマルタン島(オランダ名シントマールテン島)を直撃した。
バーブーダ島(人口約1800人)を視察したブラウン首相によれば、被害は全住戸に及んでおり、水道も電話も使えない状況にある。これまでに幼児1人の死亡が確認された。フェルナンデス外相も、バーブーダ島は90%以上が破壊されたと話している。
仏領サンバルテルミー島とサンマルタン島では少なくとも2人が死亡、2人が重傷を負った。
フランスのコロン内相よれば、サンマルタン島(人口7万5000人)では頑丈な構造をもつ建物でさえも4棟が破壊され、弱い構造の建物はさらに大きな被害が出ている様子だという。
サンバルテルミー島では消防署が高さ1メートルの水につかり、市長公邸も損壊。多数の住宅で屋根が吹き飛ばされるなどの被害が続出した。現地時間の6日午前6時ごろからは島全体で停電が続いている。
サンマルタン島のホテルにいた女性はCNNの取材に対し、「ヤシの木が折れ曲がっている。一面真っ白で何も見えない」「風が吹きつけて壁が揺れ、がれきが吹き飛ばされる音が聞こえる」と語った。