シリア政府軍、東部の要衝でISIS包囲網を突破
(CNN) シリア政府軍は5日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が3年近く前から包囲していた東部の要衝デリゾールに入り、市内に閉じ込められていた兵士らと合流した。
国営シリア・アラブ通信(SANA)が現地記者からの報告として伝えた。
シリアではISISが「首都」と称する北部ラッカの奪還作戦も進み、デリゾールはISISに残された同国最後の要衝と位置付けられていた
アサド大統領は声明で政府軍の兵士らをたたえ、テロを完全に追放すると改めて宣言した。
SANAによると、政府軍の部隊はデリゾールの包囲網を突破するため、「集中的な上空援護」を伴う新たな作戦を実行した。空爆で複数のISIS戦闘員を殺害したが、人数は不明。さらに少なくとも10台の車両を破壊した。
ロシア国防省は情報当局筋からのデータに基づき、黒海艦隊のフリゲート艦から発射した巡航ミサイルでシリア軍を援護したと発表した。
また、ISISはロシアや旧ソ連圏出身の戦闘員が支配するデリゾール近郊の町の一角で部隊を再編成する計画だったとされるが、ロシア軍はその一角にミサイルを撃ち込み、計画を阻止したという。
隣国イラクでも政府軍が最近、ISISに支配されていた北部の主要都市モスルや北西部の要衝タルアファルの奪還に成功している。