ムガベ大統領がテレビ演説、辞任は表明せず ジンバブエ
ハラレ(CNN) アフリカ南部ジンバブエのムガベ大統領(93)は19日深夜、テレビを通して国民向けに演説した。ムガベ氏は同日、自身の率いる政党から最後通告を受けていたが、辞任は表明しなかった。
ムガベ氏は演説で、事実上のクーデターを率いている軍の司令官らと同日会談した結果、「国を正常化する動きを始める必要がある」ことが確認されたと強調。来月に行われる与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU―PF)の党大会を自らが主催すると表明した。
さらに軍やZANU―PFから指摘されている同国の経済問題などを挙げ、大至急対処する必要があると述べた。
演説の途中で原稿をめくり、どこだったかと探す場面もみられた。最後に「長い演説だった」と謝って終えると、隣に並んだ軍メンバーから形ばかりの拍手が上がった。ムガベ氏はこの後、立ち上がって軍メンバーと握手した。
ZANU―PFはこの日、緊急会合を開いてムガベ氏を党首から解任する決定を下していた。新たな党首には、ムガベ氏に最近解任されたばかりのムナンガグワ前副大統領が選出された。ロイター通信によると、会合ではムガベ氏の妻、グレース氏も追放された。
同党はムガベ氏に対し、20日正午までに大統領職を辞任しなければ弾劾(だんがい)の手続きを取るとの最後通告を突きつけた。ムガベ氏がこれを受け、演説で辞任を表明するとのうわさも流れていた。
会合ではムガベ氏解任の宣言に党員らが喝采を送り、喜んで歌ったり踊ったりする姿がみられた。
軍もムガベ氏に対し、追放される前に辞任するよう求めているが、同氏はこうした取り引きを拒否している。