中国新疆当局、住民の生体情報を収集 人権団体報告
香港(CNN) 国際人権団体ヒューマン・ ライツ・ウォッチ(HRW)は14日までに、中国西部・新疆ウイグル自治区の当局が、12~65歳の住民数百万人のDNAサンプルや指紋、虹彩スキャン情報、血液型を収集しているとの報告を発表した。
新疆ウイグル自治区はチベットを除いた場合、漢族が住民の過半数を占めていない中国唯一の地域で、他の地域では経験することがない厳しい管理や監視にさらされている。
当局は4月、同地域のイスラム教徒1000万人を対象に、長いひげを生やしたり公共の場でベールを着用したりすることなどを禁止。これに先立っては、パスポートの提出や車両内でのGPS(全地球測位システム)追跡端末の設置義務付けなど、監視強化のための一連の措置も講じていた。
HRWの中国担当責任者は今回、声明で「DNAを含む全住民の生体データの強制収集は国際的な人権規範に著しく違反している」と指摘した。
中国公安当局や新疆の自治区政府は現時点でコメント要請に応じていない。中国政府は、新疆で民族的または宗教的な差別が行われているとの批判を一貫して否定してきた。
自治区政府のウェブサイトに掲載された文書によれば、今回の新措置の主な目的は、「新疆の人口の真の値を完全かつ正確に確認し、12~65歳の住民の画像や指紋、虹彩スキャン情報、血液型、DNA生体認証情報を収集すること」だとしている。