北朝鮮の核実験場、昨年9月に崩落 中国の大学調査
(CNN) 中国の「中国科学技術大学」の研究チームは26日までに、北朝鮮が昨年9月実施した核実験の威力が非常に強力だったため同国北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場が崩落したとの見方を明らかにした。
北朝鮮による6回目だったこの核実験後に起きた複数回の揺れの震源地を特定するため高水準の地震関連データを分析。実験から8.5分後に起きた震動は崩落が原因の地震だったと結論付けた。
ただ、崩落部分は実験場がある山の一部とされる。実験用の複数のトンネルの一部は他の山の下に掘られているという。昨年9月の核実験は北朝鮮によるものでは最強の規模だったとされる。
今回の報告書作成を仕切ったチームの責任者は、北朝鮮が同じ実験場で再度の実験を実施すれば環境面に大惨事をもたらしかねない恐れがあると指摘。同国による過去の実験が地殻変動をもたらし、以前は活発な動きを見せなかった地殻の断層が非常にもろい状態になっていると分析した。
今回の報告書は学術誌「Geophysical Research Letters」に掲載される予定。
同実験場は中国国境から約160キロ離れ、同国や国際社会は事故や放射性物質の流出が起きた場合、国境を越えた被害の発生を懸念し続けている。昨年9月の実験では国境線沿いの中国側住民が強い揺れを感知したと証言していた。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は先週、同国はもはや核兵器の実験の必要性はないとして同実験場の廃棄を宣言していた。宣言は今月27日に予定する南北首脳会談には好材料となるとの見方がある一方で、核開発水準における北朝鮮の自信を見せ付けたものとの指摘もあった。