北朝鮮がミサイル誘導技術を向上中 米当局者
ワシントン(CNN) 北朝鮮の弾道ミサイル開発を巡り、米情報機関がミサイル誘導技術の向上が続いていると判断していることが3日までに分かった。最新の評価内容を知る政府当局者が明らかにした。
こうした技術の向上の一部は、先週末に閉幕した韓国・平昌(ピョンチャン)五輪で緊張が比較的緩和していた時期に実現したものだという。
一方で、北朝鮮は依然、弾頭の大気圏再突入能力を確保するという技術的な課題に苦戦しているとも指摘した。また、評価の基本的な概要は既に公に議論されているとも注意を促した。
米中央情報局(CIA)のポンペオ長官は1月23日の講演で、北朝鮮は米国に到達可能なミサイルに弾頭を載せるという目標の達成まで、あと数カ月しか残されていない可能性を指摘している。
北朝鮮は直近では昨年11月に大陸間弾道ミサイルを発射した。米国はその後、北朝鮮がどこまで技術改善を実現しうるかを継続的に評価。北朝鮮がロケットエンジンや移動式ミサイル発射装置、核弾頭の製造の向上に取り組んでいると見ている。ただ、北朝鮮がミサイル部品をどの程度の規模で製造可能かはわかっていない。
前述の当局者は、北朝鮮に対する軍事力の行使はトランプ大統領の政治的決断に委ねられているとも語った。
複数の政府関係者は、北朝鮮に対する軍事行動の決定を可能な限り回避するためにも、制裁と外交圧力を継続するのが目標だと強調。全面戦争の前に北朝鮮のミサイル計画を止める方法はあると語る。
軍関係者は究極のジレンマの状態にあるとの懸念も示す。米国が先制攻撃をした場合は、米国が侵略側の位置付けとなる可能性がある。一方で、米国に向けてミサイルが発射されるのを待った場合、弾頭が搭載の有無やミサイルの撃墜が及ぼす他国へのリスクを瞬時に判断することは困難だと指摘する。