北への軍事行動、本土射程の核戦力保有なら検討 米高官
ワシントン(CNN) トランプ米政権が、北朝鮮が米国を攻撃可能な核ミサイルの開発に成功した場合の軍事行動を検討していることが2日までに分かった。複数の情報筋が明らかにした。国家安全保障当局の高官は、北朝鮮が核武装した場合、米国に対し容認できないリスクを及ぼすとみている。
軍事行動を推す国家安全保障当局者は、米本土に対するミサイルの脅威に加え、技術拡散の可能性にも言及。北朝鮮が完全な核戦力の保有に至った場合、イランやパキスタン、リビア、非国家勢力の手に核・ミサイル技術が渡りかねないとの見方を示す。
こうした展開になれば、米国の国益に対する核の脅威は増大する可能性がある。当局者によると、北朝鮮の核開発を阻止するため通常の軍事行動に踏み切った場合、軍民双方で多数の犠牲者が出るリスクはあるものの、究極的には、技術拡散の可能性の方が危険性が大きいという。
共和党のリンジー・グラハム上院議員はCNNの取材に、「長期的安定や国家安全保障の観点から言えば、戦争からいかなる損害が生じようともやむを得ないのではないか」と述べた。グラハム氏はトランプ大統領と北朝鮮をめぐる協議を重ねている。
一方で複数の当局者は、現時点での米政権の主眼は依然として外交による解決だとして慎重な姿勢を示した。また、水面下での手段も含め、全面戦争に至らずとも北朝鮮のミサイル開発を阻止する方途はあると注意を促している。
トランプ氏は1日、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と電話で会談。ホワイトハウスの声明によれば、両首脳は「北朝鮮とのいかなる対話も、完全かつ検証可能で不可逆的な非核化という明確で揺るぎない目標を視野に行わなくてはならないとの確固たる立場を確認した」という。