オウム事件、死刑執行 松本死刑囚ほか元幹部6人
東京(CNN) 1995年に東京で地下鉄サリン事件を起こした罪などで死刑判決を受けていたオウム真理教のメンバー7人に対する刑が、6日執行された。日本の当局者が明らかにした。
地下鉄サリン事件は死者13人、負傷者5500人を出す惨事となっていた。
NHKによるとオウム真理教の元代表、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚の死刑は2006年に確定した。他の元教団幹部の裁判はその後12年間続き、松本死刑囚以外に12人の元幹部が死刑判決を受けた。
上川陽子法相は、松本死刑囚のほか中川智正死刑囚、新実智光死刑囚、早川紀代秀死刑囚、井上嘉浩死刑囚、遠藤誠一死刑囚、土谷正実死刑囚の死刑を6日に執行したと述べた。
死刑判決を受けた残る6人の元幹部の刑がいつ執行されるかは不明。
地下鉄サリン事件で駅の助役だった夫を亡くした高橋シズヱさんは死刑執行を受けて記者会見し、「動悸(どうき)がした。テロ対策のため、もっといろいろなことを話してほしかった。それができなくなったという心残りがある」と語った。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは同日、松本死刑囚らの死刑執行は正義をもたらすものではないとの声明を発表。「オウムが実行した攻撃は卑劣で、その責めを負う者は罰されるに値する。だが、死刑は決して答えにならない」「正義は責任を求めるが、全ての人の人権も尊重する。死刑は究極的な人権の否定であり、それが正義をもたらすことはない」との見解を示した。