北朝鮮、最後に譲歩の提案も米が拒否 第2回首脳会談
(CNN) ベトナム・ハノイで2月末に開かれ、事実上決裂した2回目の米朝首脳会談で、トランプ米大統領が立ち去ることを決めた後、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が部下を通じて米側に譲歩と受けとめられる新たな提案を示し、交渉の席に戻ることを促していたことが9日までにわかった。
トランプ政権の高官2人などが明らかにした。
北朝鮮の崔善姫(チェソンヒ)外務次官が米代表団に最後の段階で持ちかけた新たな提案の詳細は不明。ただ、寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄の見返り策として北朝鮮が要求した一定の制裁解除に絡むものとみられる。
一部の米政府当局者は、北朝鮮による土壇場での新たな提案について制裁解除を求める金氏による合意成立への強い執着を示す証拠とも形容した。それだけ、経済制裁が北朝鮮に及ぼしている効果を裏付けてもいると述べた。
提案はトランプ氏が交渉の会場となったホテルを離れる準備をしている際にもたされた。米側は提案内容を分析したが手応えのあるものではなく、交渉再開に値するものではないと判断。トランプ氏は数時間をかけた帰国の準備を進めたという。
トランプ氏は交渉打ち切りを決めた後のハノイでの記者会見で、北朝鮮が制裁の全面解除を求めたのが原因と指摘。一方、北朝鮮側はその後、異例の会見を開き、要求したのは全面解除ではなく、一部の解除だったとも反論していた。
また、北朝鮮は交渉で核施設の廃棄の対象は寧辺のみにとどめていた。トランプ大統領はこの点について寧辺の他、北朝鮮側が言及や記しておらず米側が把握しているもう一つの施設の追加にも触れていた。