米朝会談「合意なく終わった」、北朝鮮メディアが初言及
ソウル(CNN) 北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)は8日、ベトナムの首都ハノイで行われた米朝首脳会談に触れ、会談が「予想外に合意なく終わった」と報じた。北朝鮮メディアが会談が物別れに終わったことを認めるのは初めて。
KCNAはこれまでベトナムでの会談を肯定的に報じてきたが、この日は会談が予想通り進まなかったと報道。「ハノイの米朝首脳会談を前に成功と良い結果を望んでいた国内外の人は残念がり、予想外に合意なく終わったのは米国の責任だと主張している」と伝えた。
北朝鮮メディアによる先の報道では、入念な編集を施したドキュメンタリーを通じて首脳会談の様子を紹介。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が意気揚々と列車で到着し、車列を一目見ようと大勢の人が沿道に並ぶ光景を映していた。
首脳会談で米国側はトランプ大統領による賭けの成功を誇示したい考えだったが、金委員長が制裁解除を求めたことを受け、物別れに終わった。トランプ氏は会談終了後の記者会見で、「時には立ち去る必要もある」「今回はまさにそうした場面のひとつだった」と述べていた。
北朝鮮をめぐっては先ごろ、ミサイルエンジン試験施設の一部で再建の動きが始まったことを示すとみられる衛星画像が浮上。米朝交渉の将来には暗雲が漂っている。
トランプ氏は6日、金委員長がミサイル試験を再開したのか判断するには「時期尚早」としつつも、再開が事実であれば「非常に失望する」と述べた。