難民キャンプ襲った洪水、ロヒンギャが一層の窮状に バングラデシュ
バングラデシュ・コックスバザール(CNN) バングラデシュ南東部がモンスーンの豪雨に見舞われ、ミャンマーから避難してきたロヒンギャ難民のキャンプで大規模な洪水の被害が出ている。
竹と防水シートでできた小屋に6人で暮らしていた一家は、近くの学校に避難したが、この洪水で所持品のほとんどを失った。
「私たちの所持品は(全部)奪われた」「だから真っ暗闇で暮らさなければならない。照明と充電器もなくなった」と妻は肩を落とす。
冷蔵庫やコンロは大雨で壊れ、調理もできなくなった。「子どもたちに食べさせるものがない。洪水で外へ出られないので、子どもたちが水を飲むこともできない」と夫は言う。
子どもたちは大規模な洪水に見舞われる以前から具合が悪く、栄養も不十分だった。妻は「子どもたちが熱を出して苦しんでいるのに、私たちには薬がない」と訴えている。
一家が住むコックスバザールの難民キャンプには、ミャンマーの少数派イスラム教徒ロヒンギャの約100万人が身を寄せている。ほとんどは、2017年に起きたミャンマー軍との衝突を逃れてここへたどり着いた。
コックスバザールを襲ったモンスーンの洪水は、難民たちを一層の窮状へと追い込んでいる。
キャンプの周辺で起きた土砂崩れのために、仮設の住宅数百棟が倒壊。約4000世帯が被災して、多くは避難所に移動した。