英スパイ機関本部で重要文書紛失、改修工事業者の失態
(CNN) 英紙サンは29日までに、同国の情報機関「対外情報部(MI6)」本部での改装工事の実施に伴い、「機微な情報」が含まれた文書が消失したと報じた。
これらの文書にはロンドン南部ボクスホールクロスにある本部の見取り図や保安対策の詳細が記されていたとしたが、CNNの取材に応じた関係筋は消えたのは英政府の文書ではなく、工事を請け負っていた建設会社の文書だったと同紙の報道を修正した。
この建設会社はバルフォア・ビーティー。同社が安全な部屋で保管するはずだったが消失したとし、スパイ機関本部での内部情報の流出だけに問題視されている。紛失した文書は機密扱いの対象ではなかったが、処理には慎重な配慮が必要な内容と位置付けられていたという。
サン紙は匿名の消息筋の情報を引用し、機微な内容の文書を紛失することは極めて無責任と批判。敵側の工作員やテロリストにとっては非常に貴重な情報になり得るとも主張した。
報道後、同社との工事契約は打ち切られたとも伝えた。
外務省は、諜報(ちょうほう)にかかわる問題についてはコメントしないとの立場を示した。