英女王のクリスマスメッセージ、今年たどった「険しい道」に言及
(CNN) 英国のエリザベス女王(93)は25日に放送されるクリスマスのメッセージの中で、英国がこの1年で歩んできた「険しい道」に言及する。
エリザベス女王はメッセージの中で、イエス・キリストの生涯に触れて和解の大切さを説き、「信仰と希望の中で踏み出す小さな歩みは、長きにわたる違いや根深い分断を克服し、調和と理解をもたらすことができます」と語りかける。
ただし「もちろん、それは常に平坦な道とは限りません。今年はかなり険しいと感じることもあったかもしれません。それでも小さな歩みは世界を変えさせることができるのです」と言い添えている。
具体的に、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる政治的混乱や、王室一家を巻き込んだ私的な出来事には言及しなかった。
夫のフィリップ殿下(98)はロンドン市内の病院に入院して24日に退院したばかり。今年1月には車を運転中に衝突事故を起こして相手の車に乗っていた2人が負傷、殿下はこの事故を機に運転免許を返上した。
9月にはヘンリー王子夫妻が、マスコミの激しい攻勢に遭って苦しむ心情を吐露していた。
女王の次男のアンドルー王子は、性的虐待などの罪に問われた米富豪ジェフリー・エプスタイン被告(今年8月に死亡)との親交をめぐって非難の声が強まる中で11月、公務から身を引くと表明した。
女王のメッセージはウィンザー城内で撮影され、現地時間の25日午後3時に放送される。
女王はアンジェラ・ケリーさんがデザインした青いカシミアのドレス姿でデスクの前に着席。デスクの上には、チャールズ皇太子夫妻、ウィリアム王子夫妻と3人の子ども、フィリップ殿下、さらには国王だった父の故ジョージ6世の白黒写真が飾られている。