WHO総会で習氏演説、新型コロナ調査は収束後を主張
(CNN) 18日に開幕した世界保健機関(WHO)の総会で、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に関する独立調査を求める決議案に100カ国以上の支持が集まった。中国の習近平(シーチンピン)国家主席も調査を支持する一方、感染拡大が収束してから実施するべきだと主張した。
総会はビデオ会議方式で開かれた。習氏は演説で、中国は透明で責任ある対応を取ってきたと強調。「WHOや関係諸国への情報を最も適切な時期に提供し、新型ウイルスのゲノム(全遺伝情報)をできる限り早く公開した。世界に向けて疾病管理や治療の経験を惜しみなく共有し、他国の支援に全力を尽くしてきた」と述べた。
習氏はパンデミックの犠牲者に弔意を表し、さらには調査の必要があることに同意すると表明したが、今は時期尚早との立場を示した。
決議案はオーストラリアの呼び掛けを受けて欧州連合(EU)が提出した。中国など特定の国の名指しを避けつつ、新型ウイルスへの国際対応について公正で独立した、包括的な評価を求める内容だ。
中国は米国をはじめとする一部の国から、情報隠ぺいなどを厳しく批判されてきた。オーストラリアが先月、ウイルスの発生源などをめぐる調査を要求したのに対し、中国側は「極めて無責任」な動きだとして強い反発を示していた。
決議案の文言は、中国やその友好国から賛同を得るためにトーンを下げたとみられる。習氏も演説で敵対的な態度は見せず、今後2年間でWHOに20億ドル(約2150億円)を拠出するとも表明した。