「ホテル・ルワンダ」の英雄、逮捕直前ドバイ訪問 UAEは関与否定
(CNN) 映画「ホテル・ルワンダ」で1200人もの命を救った英雄として描かれた元ホテル支配人のポール・ルセサバギナ氏(66)が逮捕された事件で、アラブ首長国連邦(UAE)の当局者は、同氏が逮捕直前、ドバイを訪問していたことを確認した。逮捕への関与は否定している。
UAE当局者によると、ルセサバギナ氏は8月27日に米シカゴ発のエミレーツ航空便でドバイに到着してホテルに入り、約5時間後の28日未明、ドバイ近郊のマクトゥーム空港からプライベート機でルワンダに向けて出発した。「ポール氏は合法的に入出国した」と当局者は説明している。
その数日後、ルセサバギナ氏はテロ関連容疑で逮捕された。人権活動家のルセサバギナ氏は以前から、ルワンダのポール・カガメ政権を批判していた。ルワンダに帰国すれば逮捕されると知っていながらなぜプライベート機に乗ったのか、疑問を投げかける声が上がっている。
ルワンダ捜査局(RIB)の広報は、同氏が逮捕された詳しい経緯は明らかにせず、「国際指名手配を受けた国際協力」によって逮捕に至ったと説明している。
一方、UAE当局者は、ルワンダとの間で犯罪者や逃亡人の引き渡しに関する条約を結んでいないことを確認した。ルセサバギナ氏は過去数年で2回、ドバイを訪れていたが、指名手配者リストには載っていなかったことから、UAE当局が不審を抱くことはなかったとしている。
同氏の家族はCNNの取材に対し、同氏は拉致されたと確信していると語った。ただしそれを裏付ける証拠は存在しない。