映画「ホテル・ルワンダ」の英雄、テロ容疑で逮捕
(CNN) 1994年のルワンダ大虐殺で数百人をホテルにかくまって命を救ったポール・ルセサバギナ氏(66)が、テロ関連容疑で逮捕された。ルセサバギナ氏は、2004年のハリウッド映画「ホテル・ルワンダ」で英雄として描かれていた。
ルワンダ捜査当局はツイッターに掲載した声明で、ルセサバギナ氏が「国際協力を通じて」逮捕され、首都キガリで勾留されていると発表した。どこの国が協力したのかは明らかにしていない。
捜査当局によると、ルセサバギナ氏は「暴力的で過激な武装テロ組織の創設者兼指導者兼スポンサー」として、国際指名手配されていた。
ルセサバギナ氏が関係をもつベルギーの当局者はCNNの取材に対し、同氏はベルギー国内では逮捕されていないと語った。
ベルギー連邦警察は同氏の逮捕について、8月31日にルワンダの司法当局から連絡を受けたという。
ルセサバギナ氏は、ルワンダのポール・カガメ政権を一貫して批判しており、以前から政権の標的にされていると訴えていた。
1994年のルワンダ大虐殺はフツ人の過激派によって主導され、ツチ人やフツ人の穏健派約80万人が殺害された。
当時高級ホテルの支配人だったルセサバギナ氏は、数百人をホテルにかくまって命を救い、この物語が2004年に映画化された。
1996年には同氏を狙った暗殺未遂事件があり、以来、ルワンダには居住していなかった。
同氏は2005年に米大統領自由勲章を受章するなど、人権活動家として何度も表彰されている。