3千人超がブルセラ症に感染、工場の排ガスから 中国北西部
(CNN) 中国北西部甘粛省の省都、蘭州の保健当局は18日までに、住民ら3245人が細菌性疾患のブルセラ症に感染したと発表した。生物医薬品の工場で昨年起きた、菌を含む排気ガスの漏洩(ろうえい)が原因とみられる。
上記の感染者のほか、予備的段階で陽性反応を示した患者も1401人いた。これまでのところ死者は報告されていない。同市の保健当局は人口290万人中、現時点で2万1847人を対象に検査を行った。
マルタ熱としても知られるブルセラ症は、頭痛や筋肉痛、発熱、倦怠(けんたい)感といった症状を引き起こす。米疾病対策センター(CDC)によると、関節炎や特定の臓器の肥大といった形で慢性化することもある。
人から人への感染は極めてまれで、最も多いのは菌に汚染されたものを食べたり、菌を吸い込んだりして感染するケースだという。
蘭州の保健当局によれば、昨年の7月下旬から8月下旬にかけ、同市の生物医薬品工場から減菌の不十分な排ガスが漏れていた。工場では動物を対象にしたブルセラ症のワクチンを製造していたが、期限切れの殺菌剤を使用していたため、排ガス中のブルセラ菌を完全に除去できていなかった。
昨年11月から感染者が報告されるようになり、地元当局は工場に対する捜査を開始。今年1月には工場からワクチン製造の免許をはく奪した。工場側は2月になって公式に謝罪し、漏洩(ろうえい)に責任があったとする8人を「厳重に処罰した」と発表した。
保健当局は、今後11の公立病院で患者のための無料の定期検査を実施すると説明。感染者向けの補償も来月から数回に分けて行う意向を示した。