欧州全域で新型コロナ急増、ロンドンやパリで規制強化
(CNN) 英国のハンコック保健相は15日、首都ロンドンで新型コロナウイルス感染の警戒レベルを「中」から「高」に引き上げて、17日から規制を強化すると発表した。これに先立ちフランスも、首都パリを含む複数都市で17日から夜間の外出を禁止すると発表していた。
ロンドンではパブやレストランも含めた屋内で、別世帯の人同士が入り混じることを禁止する。屋外での集まりは6人までに制限し、公共交通機関の利用はできる限り避ける必要がある。
ハンコック保健相は、「今後さらに規制を厳格化する必要が生じないよう、今行動しなければならない」と強調した。
ロンドンのカーン市長も同日、市内全域でウイルス感染が急激に拡大していると述べ、「入院患者が増え、集中治療室(ICU)に行く患者が増え、悲しいことに、ロンドン市民の死者も再び増えている」と語った。
欧州ではチェコ、フランス、ドイツ、英国などで、この数週間の間に1日当たりの症例数が急増している。
世界保健機関(WHO)の疫学者マリア・バン・ケルコフ氏は15日、CNNの番組の中で、欧州の国の約80%で症例数が増えていると指摘、「欧州全域で非常に憂慮すべき状況がみられる。多数の国で再燃が起き、感染が増えている」と語った。
ドイツのメルケル首相も規制強化を発表し、国内の症例数の急増に懸念を示した。感染率が高い地域では集会の人数を10人までに制限し、バーやレストランは午後11時までに閉店しなければならない。
チェコでは14日に新しい規制が導入されて学校が休校となり、バーやレストランの営業は午後8時までに制限された。
ロシアも15日、新型コロナウイルスによる過去24時間の死者の数が過去最高の286人に達した。