ペルー外相、抜け駆けワクチン接種で辞任 他の高官も調査
(CNN) 南米ペルーのアステテ外相は14日、中国医薬集団(シノファーム)製の新型コロナウイルスワクチンの接種を医療従事者への優先接種より前に受けたのは間違いだったとして辞任した。
サガスティ大統領はアステテ氏の辞表を受理したと発表し、同様に抜け駆けした政府高官らについても調査に乗り出していることを明らかにした。
ペルーでは11日、昨年11月に汚職疑惑で罷免(ひめん)されたビスカラ前大統領がその前月、夫人とともにシノファーム製ワクチンを接種していたことを認めた。本人は臨床試験(治験)への参加だったと主張したが、治験を率いたカジェタノエレディア大学はこれを否定。12日にはマセッティ保健相が辞任し、副保健相も先に接種していたとの報道を受けて辞任した。
同国は今月7日にシノファーム製ワクチン30万回分を受け取り、9日から中南米の他国に先駆けて、医療従事者を対象とした優先接種を開始したばかり。
サガスティ氏によると、シノファームからは事前に2000回分が届き、一部の高官らが先に接種を済ませたという。同氏は14日夜のラジオ番組で、これは治験用とは別に寄付されたワクチンだったと言明した。
アステテ氏はもともと、シノファーム製ワクチンの購入に向けた交渉を主導した人物。14日の声明で、先月22日にカジェタノエレディア大学に残っていた在庫とされるワクチンの接種を受けたことを認めた。ビスカラ夫妻が非難されたことを受けて自身の「重大な過ち」に気付き、2回目の接種は見送ったと説明している。
サガスティ氏は、昨年接種を受けたほかの高官らの顔ぶれなどをさらに調べ、結果を公表すると約束した。