ファイザー製ワクチン、イスラエルで9割以上の発症予防効果の報告
(CNN) 新型コロナウイルスワクチンの一般向け接種が進んでいるイスラエルで、米ファイザー製のワクチンに90%を超える発症予防効果があるとの研究結果が14日報告された。
イスラエルの主要保健機構の付属機関「クラリット研究所」が、120万人のデータを分析した初期結果を発表した。対象者の約半数は米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンを接種済み、残る半数は同じような構成で未接種のグループだった。
2つのグループを比較したところ、ワクチンを2回接種したグループは未接種のグループに比べて発症率が94%少なく、重症化率も92%少ないことが分かった。
研究結果は未査読で、全体の詳細は今のところ不明だが、ファイザーが臨床試験(治験)での発症予防効果として発表した95%減の数字とほぼ一致している。
治験では無作為に割り当てられた対象者に実際のワクチンまたは偽薬(プラセボ)を投与して効果を比較したのに対し、今回報告されたのは一般向け接種の効果を観察した研究だ。実際に接種を受けようとする人はほかの予防措置も心掛けている可能性が高いとみられるが、研究チームはこうした要因も考慮したという。
実際の現場ではもうひとつ、変異株という要因もある。CNNの医療アナリスト、米ジョージ・ワシントン大学客員教授のリーナ・ウェン博士はこの点について、イスラエルで現在確認されている新型ウイルスは英国発の変異株「B1.1.7」が大半を占めると指摘。この状況で高い予防効果が出たというのは「大きな朗報だ」と話している。