仏接種施設、希望者微少で早々と閉所 英製ワクチンも要因か
(CNN) フランス南部ニース市に設けられた新型コロナウイルスの大規模接種センターで業務開始後に来場する住民らが余りにも少なく、数時間後に早々と閉所する事態に追い込まれる一幕がこのほどあった。
ニースがあるアルプマリティム県の警察当局がCNNの取材に明らかにした。同所では英アストラゼネカ社製のワクチンを4000人分用意していたが、姿を見せたのは58人のみだったという。
同センターでの接種の対象者は55歳以上で、教師、警官や刑務官など感染リスクの高い職務の従事者だった。
ニースに近いグラス町の関係者は県内にいる55歳以上の教師は3000人だが一部は既に最初の投与を受けており、接種センターでの今回の出足の鈍さの要因になったかもしれないと推測した。
ただ、同町の行政幹部はテレビ局フランス3の取材に、接種の対象者は使うのがアストラゼネカ社製と知った後に引き返したとも明かした。
フランス政府の報道担当者はニースの接種センターの早めの業務打ち切りの事態を嘆き、このワクチンの信頼性を高める必要があるがなすべきことは多いと指摘。全国で先週には1日当たり6万5000~7万人に投与した実績にも触れた。
アルプマリティム県の警察当局は、ワクチン投与の対象者の訪問を見込み接種センターを今後2週間で再開することを期待した。
フランス政府は今年5月15日までに、2000万人の国民へのワクチン接種を目指している。
アストラゼネカ社製のワクチンは投与後の血栓発生の事例が表面化した後、接種中止や関連データの追加分析を求めるなどの混乱が広がっている。