ボコ・ハラム戦闘員がナイジェリアの町を制圧、住民の妻を拉致 州知事発表
ナイジェリア・アブジェ(CNN) ナイジェリア西部ナイジャ州の知事は26日、イスラム過激派「ボコ・ハラム」の戦闘員が州内の町カウレで同組織の旗を掲げ、逃げようとした住民の妻を拉致したとの情報があると明らかにした。
アブバカル・ベロ知事は広く拡散した動画の中で、「ナイジャ州カウレ周辺にボコ・ハラムの分子がいることを確認する。彼らはこの地域を制圧して、旗を掲げた」と述べた。
ベロ氏は今回、州都ミナにある国内避難民のキャンプを訪問。その際、ボコ・ハラムや地元で「盗賊」と呼ばれる犯罪集団によって3000人超が住む場所を追われたと明らかにした。拉致された妻はボコ・ハラムの構成員に同行させられているという。
カウレはナイジャ州の地方行政区シロロにある農村部の町。ベロ氏は、カウレにボコ・ハラムが潜入することで、ナイジャ州の東に隣接する首都アブジャにも治安上の脅威が及ぶと警告した。
ベロ氏によると、ボコ・ハラムの分子は数百キロ離れたサンビサと同様に、この地域も拠点として利用しようと試みている。ただ、カウレはアブジャから車で2時間以内の距離にあるため、「もはや誰一人安全ではない。アブジャすら安全とは言えない」としている。
アブジャは過去にテロリストの攻撃対象となってきた。2011年には複数の爆発が発生し、合わせて数十人が死亡。国連の建物も被害を受け、少なくとも18人が死亡した。
サンビサは北東部ボルノ州にある広大な森林地帯で、ボコ・ハラム工作員の潜伏拠点となってきた。米外交問題評議会によると、ボコ・ハラムの活動により2011年以降に3万7000人以上が死亡、200万人超が避難を余儀なくされている。
ベロ氏の発表の数日前には、北東部ヨベ州ゲイダムをボコ・ハラムが制圧したと地元メディアが報じていた。ナイジェリア陸軍の報道官はCNNに対し、ゲイダムで戦闘はあったがボコ・ハラムを撃退したと述べ、制圧の事実はないと述べた。ナイジャ州への侵入について問われると、報告が上がっていないと語った。