ラトコ・ムラディッチ被告、終身刑が確定 ボスニア内戦の集団虐殺に関与
(CNN) 旧ユーゴスラビア紛争の戦犯を裁くオランダ・ハーグの特別国際法廷は8日、1992~95年に起きたボスニア・ヘルツェゴビナ内戦でのジェノサイド(集団虐殺)に関与した罪などに問われた元セルビア人武装勢力司令官ラトコ・ムラディッチ被告(79)の上訴を棄却した。ムラディッチ被告は終身刑に服すことになる。
ムラディッチ被告は2017年、ジェノサイドに関与したなどとして終身刑を言い渡されていた。
今回の判決によって、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦をめぐる主要な戦争犯罪に関する一連の裁判に終止符が打たれた。内戦では約10万人が死亡したほか、220万人が住むところを追われた。
欧州連合(EU)はムラディッチ被告に対する終身刑の判断を支持し、ボスニア・ヘルツェゴビナで起きたジェノサイドを含む戦争犯罪に対する欧州の主要な裁判に終止符が打たれたと述べた。
EUは、ジェノサイドの否定や歴史修正主義、戦争犯罪の賛美は欧州の最も基礎的な価値観に反するものであり、今回の判決は、ボスニアやヘルツェゴビナ、地域の指導者にとって、犠牲者に敬意を払い、戦争の遺産を乗り越えるための和解を促す環境を促進し、長く続く和平を構築する道を開くものだとも指摘した。