肉食恐竜Tレックスの歩行速度、驚くほど遅かった 新研究
(CNN) 巨大肉食恐竜のティラノサウルス・レックス(Tレックス)は恐ろしい捕食動物だが、歩くスピードはそれほど速くなく、人間でも汗をかかずに付いていける程度だった――。そんな研究結果が20日、科学誌「王立協会オープンサイエンス」に発表された。
オランダの古生物学者による新たな計算結果によると、Tレックスの歩行速度は時速約4.8キロ未満と、人間や多くの動物と同程度だった。これは従来の他の推計を下回るスピードとなる。
人間を含む大半の動物は、走る理由がない場合、体のエネルギー消費量が最小になるような自然な歩行速度を取る。
これまでの推計では計算の際、Tレックスの体長の半分以上を占める尾の役割を完全には考慮に入れてなかった。こう指摘するのは新研究の筆頭著者、パシャ・ファン・ベイレルト氏だ。
アムステルダム自由大学の大学院生であるベイレルト氏はメールで、「動物は一定の距離でのエネルギー消費量が最小となる歩行速度を好む傾向がある。このため、体の各部分が共振する特定の歩調を選ぶ」と指摘。Tレックスの尾全体は靱帯(じんたい)によってつり下げられていたことから、この尾を再構成して、どのような歩行リズムなら尾と共振するかを調べたと語る。