シンガポールとマレーシア、旅行制限を緩和 「ウィズコロナ」へ
一方、マレーシアのイスマイルサブリ首相は10日、国内でワクチン接種を完了した成人の割合が90%の目標ラインに達したことを受け、11日以降は接種完了を条件に国内外の旅行制限を解除すると発表した。
同国では長期化するロックダウンに国民の不満が高まるなか、8月にムヒディン前首相が辞任に追い込まれていた。1日当たりの感染者は6~8月に急増した後、減少傾向が続いている。
イスマイルサブリ氏は10日の記者会見で「新型コロナ感染症が完全に撲滅されることはないかもしれない」と指摘したうえで、今後は感染者が増加しても広範なロックダウンを導入しないと言明した。
ワクチン接種が済んだ国民は今後、海外渡航に当局の許可を得る必要がなくなる。これまでは出張や緊急の場合以外、許可が出ていなかった。全国で禁止されていた国内の旅行も認められる。外国人の入国は今のところ禁止だが、再開が検討されている。
ロイター通信によれば、東南アジアではこのほか、ベトナムが12月以降、主要観光地で感染リスクの低い国から訪れるワクチン接種済みの旅行者を受け入れ、来年6月には全面再開を目指すと発表している。
部分的なロックダウン(都市封鎖)の解除を受けてバリケードを撤去する警官=11日、マレーシア・パハン州/Mohd Rasfan/AFP/Getty Images
ロイター通信によれば、インドネシアでも行動制限の緩和が進み、14日以降はバリ島が中国、ニュージーランド、日本などからの観光客受け入れを開始する。ただし自費での8日隔離が条件だ。
オーストラリアのシドニーでは11日、6月から続いていた厳しいロックダウン措置が解除された。同市では成人の約70%がワクチン接種を済ませている。