中ロ、米主催の「民主主義サミット」を偽善と批判 9日から開催
(CNN) バイデン米政権が9、10両日にオンライン形式で開催する「民主主義サミット」について、中国とロシアの国営メディアが偽善だと位置づけ、中傷しようと躍起になっている。
中国の外交官からは、これは民主主義サミットと「呼ばれる」イベントだとのツイートが相次いだ。ロシアの政治評論家は中国国営紙で、米国の主導権を「女子学生に士気(morale、原文ママ)を教える売春宿の女主人」となぞらえている。
独裁主義国家のプロパガンダに詳しい専門家は、国営メディアからの猛攻撃は、米国が民主主義の規範に対する支持を結集させ、中国とロシアを孤立させる恐れのある取り組みに対して感じる不安を示すものだと指摘する。
米国のシンクタンク、ブルッキングス研究所のジェシカ・ブラント氏は「(中国とロシアは)政治的な西側諸国に対する皮肉を強め、サミットから飛び出すトップニュースをけなす機会になると捉えている」と述べた。
米国は今後何年もこうした影響力作戦の一種と戦う必要に迫られる可能性がある。統治体制に対する世界レベルの世論形成で、抑圧的な政府と競っていくことになる。
シンクタンクの大西洋評議会のケントン・ティボー氏は「米国の民主主義をけなし、別の見方を提示しようとする(中国からの)実に協調した取り組みを見て取れる」と語る。
民主主義サミットは、バイデン政権が民主主義の規範を推進する取り組みの中で最も注目の集まるものの一つ。ホワイトハウスによると、100カ国・地域の政府の代表者や市民グループ、ジャーナリストが参加する。
米政権高官によると、米国はこのサミットで汚職の撲滅や自由で公正な選挙を守るための新たな取り組みを発表したい考え。米国は台湾もサミットに招待している。
中国とロシアはこうしたメッセージを打ち消そうと試みている。
中国は先週末、「民主主義の国際フォーラム」を開催し、120カ国以上の政治家や学者が参加したと報じられている。中国は同国の一党制が米国の制度より機能している民主制だと誤った主張をする白書も公開した。
中国とロシアの駐米大使は先月、米誌「ナショナル・インタレスト」に共同で意見記事を出し、サミットは「反民主主義」であり、中国やロシアは民主主義国家だと主張している。