カナダが「転向療法」を禁止、トルドー首相「卑劣な慣行」
(CNN) カナダで8日、性的指向や性自認を変えられると自称する「転向療法」を禁止する法律が成立した。
この法律では、年齢や同意の有無を問わず、他人に転向療法を受けさせる行為を犯罪と定めた。
転向療法は性的指向の変更や「治療」が可能との考え方に基づいているが、この考えは米国や英国など各国の主要な医師会から信用されていない。
これまで宗教指導者が実施することが多かったが、医師免許を持つ臨床医が携わる場面もあった。
今回の法律では転向療法の提供、促進、宣伝行為を犯罪と定めたほか、転向療法を受けさせる目的で子どもを国外に連れ出す行為も禁じた。法律は成立後30日で施行される。
トルドー首相はツイッターで「卑劣で屈辱的な転向療法の慣行を禁止する行政立法が国王の裁可を受け法律になった」と報告し、性的少数者とその権利のために立ち上がると述べた。
昨年には、宗教指導者数百人が世界中で転向療法の中止を求める運動に加わる動きもあった。
地中海の島国マルタは2016年に転向療法を禁止、20年5月にはドイツ議会も未成年や、強制・脅迫・詐欺による成人への転向療法の実施を禁じた。性的少数者の支援団体によると、米国では20州と100以上の自治体で同療法が禁止されている。