ウクライナの再建、民主主義世界の「共通課題」 ゼレンスキー氏
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、ウクライナの復興について話し合う国際会議の開幕にあわせて演説し、ウクライナの再建は民主主義世界にとっての「共通の課題だ」と語った。今回の国際会議は2日間の日程でスイス・ルガーノで開幕し、ロシアによる侵攻を受けるウクライナの再建への道筋を話し合う。
ゼレンスキー氏はオンラインで発言し、「ウクライナの再建は、局地的なプロジェクトではない。1カ国によるプロジェクトでもなく、全ての民主主義世界、文明国といえる全ての国にとっての共通の課題だ」と述べた。
ゼレンスキー氏は、ウクライナの再建は命の原則の再建も意味すると語った。
ウクライナの再建が、「我々の国々、我々の企業、我々の専門家が、なぜ自由が専制政治よりも強いのかを示す機会」でもあると述べた。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長は4日、ロシアとの戦争後にウクライナ政府による再建を支援するためのプラットフォームの設置を提案したと明らかにした。このプラットフォームを通じて、投資の必要性の把握や行動の調整、資源の確保、野心的な改革の支援を行うという。
ウクライナのシュミハリ首相は会議で演説し、財政支援の必要性を改めて訴えた。シュミハリ氏によれば、ウクライナの復興計画に必要な金額は推計で7500億ドル(約102兆円)にのぼる。シュミハリ氏は、主要な財源として、オリガルヒ(新興財閥)などから接収したロシアの資産を挙げた。
シュミハリ氏はそのほかの財源として、ウクライナ自身の予算のほかに、国際的な金融機関や関係国からの助成金や長期低利融資、民間からの投資などを挙げた。
シュミハリ氏によれば、ウクライナの直接的なインフラの損失は1000億ドル以上になる。1200以上の教育機関や200以上の病院ほか、ガスや水、電気の供給網、道路、鉄道が数千キロにわたり破壊されるか損傷しているという。