ヘルソン州の親ロシア派指導者、さらなる住民避難の意向表明
(CNN) ロシアが支援するウクライナ南部ヘルソン州のトップは18日、今後さらなる住民の「組織的な再配置」が行われると発表した。民間人を前線に位置する集落から遠ざけるとしている。
ヘルソン州親ロシア派トップのサリド知事はテレグラムへの投稿で、「困難ながらも正しい判断」とした上で、州内4つの地域に暮らす民間人を対象とした組織的な再配置を行うと発表した。移動する先はドニプロ川の東岸としている。
再配置を行う理由は、大規模な防御用の要塞(ようさい)を築くためだとした。あらゆる攻撃を退けるための軍事行動がとられることから、民間人の居場所はなくなるという。
移動を決めた民間人は住居の支援を得られると、サリド知事は述べた。
ロシアによるウクライナでの「特別軍事作戦」の新司令官に任命されたセルゲイ・スロビキン陸軍大将は18日、ヘルソン州の状況を「極めて困難」と形容。「ロシア軍は必ず住民を安全に避難させる」と述べた。
ウクライナ軍はこの数週間、ヘルソン市に向け、ドニプロ川西岸沿いに著しい前進を見せている。国防省の情報総局トップは、同市を年末までに奪還したいとの期待を示す。
ウクライナ軍は17日、ロシア軍がヘルソン州での要塞化に奔走し、民間人をクリミアへ移動させていると述べた。
ヘルソン州のウクライナ側の高官は、ロシアによる避難を「ウクライナ国民を半自主的に国外退去させるもの」と位置付けた。