ベラルーシ大統領、ワグネルの傭兵に入国を要請 自国軍隊の訓練求める
アトランタ/香港(CNN) ベラルーシのルカシェンコ大統領は30日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの傭兵(ようへい)らに対し、ベラルーシへ来て同国の軍隊を訓練するよう求めた。
ベラルーシの独立記念日に行った演説の中で述べた。国営メディアのベルタ通信が報じた。
ルカシェンコ氏は「残念ながら、彼ら(ワグネルの傭兵たち)はここにいない」と発言。もしワグネルの教官がベラルーシへ来て戦闘の経験を伝えてくれるなら、自分たちとしてはそれを受け入れると語った。既にそうした要請を教官らに伝えているとも明かした。
同氏は1週間前、ワグネルがロシア政府に対して反乱を起こした際、仲介役となってこれを鎮める役割を果たしたと考えられている。
30日の演説では、ワグネルの戦闘員たちのことは長い間よく知っており、恐れる感情はないと説明。「彼らは正常な文明を築き上げるため、世界中で戦っている人々だ。西側は彼らを心底憎んでいる」と述べた。
また人類の歴史上前例のない軍事的、政治的危機が起きようとしていると警告。そうした状況で西側には、対話を通じた解決の必要性が認識できていないと批判した。
具体的には欧州連合(EU)と米国がポーランドの軍事化を加速していると非難。同国を「自分たちの代わりに訓練し」、ベラルーシ並びにロシアと対峙(たいじ)させようとしていると主張した。 現在のウクライナと似た構図だとも示唆した。
「つまり、新たな緊張の温床が作り出されているということだ。新たな要塞(ようさい)が、世界で最も攻撃的な国の侵攻のために築かれている。この国は残念なことに、世界で最も強い国でもある。すなわち米国だ」(ルカシェンコ氏)