ザポリージャ原発、4カ月ぶりに予備の送電線に再接続
(CNN) 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は3日、ウクライナ中南部のザポリージャ原発が4カ月ぶりに予備の送電線に再接続したと明らかにした。
グロッシ氏は声明で、ザポリージャ原発は唯一利用が可能な予備の送電線に再接続されたと述べた。ただ、軍事活動が続いていることから原発の状況は依然として非常に脆弱(ぜいじゃく)で、持続可能な状態にはないという。
声明によれば、ザポリージャ原発はロシアによるウクライナ侵攻の前に6本あった予備の送電線のうち1本だけ残っていたものと接続した。接続は3月1日に断たれていたが、今月1日の夜に復旧した。再接続の作業は、悪化した南部の治安状況のため妨げられていたという。
IAEAはザポリージャ原発の安全性について懸念を示しており、以前には状況が「ますます予測不可能になる」と述べていた。ザポリージャ原発はロシア軍からの激しい砲撃によって、たびたび送電網から切り離されており、核事故に対する懸念が繰り返し起きている。
ザポリージャ原発は現在、ロシア軍の支配下にあるが、運用の大部分はウクライナ人の職員によって行われている。ウクライナは原子力発電に大きく依存している。ロシアがザポリージャ原発を支配下に置き続けると、国内の発電能力の20%が失われる。