出産控えた女性向けの配布文書、内容に批判相次ぐ 尾道市が謝罪

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東京の公園でベビーカーを押して歩く女性=5月11日撮影/Philip Fong/AFP/Getty Images/File

東京の公園でベビーカーを押して歩く女性=5月11日撮影/Philip Fong/AFP/Getty Images/File

東京(CNN) 広島県尾道市は、出産を控えた女性に配布した文書を巡り全国から批判の声が上がったことを受けて謝罪した。妊婦に対し、夫を喜ばせる方法について助言するなどといった文書の内容に非難が集中した。

市のウェブサイトによると今回の文書は、数年前に市が実施したアンケートの結果をまとめたもの。そこでは男女について、考え方や感じ方に違いが存在するとの記述があり、脳の構造の違いから男性は理論に、女性は感情に基づいてそれぞれ行動することが知られるといった説明がなされている。

その上で、重要なのはお互いの違いを理解し、役割をうまく分担することだといった内容を指摘。新しい父親は、家事や育児をした際に感謝されるのを好むなどの記述もある。

また妻が育児に忙しく家事をしないことや、理由なくイライラすることが、夫の嫌がる要因になっていると説明している。

夫が喜ぶこととしては、マッサージをしてあげる、毎日弁当を準備する、育児と家事を両立する、いつも笑顔でいてくれるいった行動を挙げた。

今週地元メディアが配布された文書について取り上げると、ソーシャルメディア上には怒りと不信の声が噴出した。

ある投稿は、出産で女性の体には重い負担がかかると指摘。ストレスは妊娠期間中の敵であるにもかかわらず、なぜ文書が女性を追いつめるような内容になっているのかと疑問を呈した。

尾道市の平谷祐宏市長は25日、市のウェブサイトで謝罪を表明。配布した文書は「妊婦さんや産婦さんをはじめ、子育てに関わる方々の心情にそぐわない内容であり、多くの方々に不快な思いをさせてしまいました」と述べた。その上で文書には、「性別による役割を固定的にとらえる意識や慣行を助長する表現内容」があるため、配布を中止したと明らかにした。

一部のユーザーは、文書の内容が驚くほど女性蔑視的だと指摘。現実の日本に存在する時代遅れのジェンダー規範と、女性に課された不平等な負担とがそこに現れていると強調した。女性の負担は日本の出生率が下がり続ける理由の一つになっている。

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