中国がドローン輸出規制、ウクライナの戦争に影響も
香港(CNN) 中国商務省は7月31日、「国家安全保障と国益を守る」ため、ドローンとドローン機器の輸出に規制をかけると発表した。ウクライナでの戦争に影響を及ぼす可能性もある。
規制に基づき、特定のドローンエンジン、レーザー、画像、通信、レーダー装置、対ドローンシステムの輸出には許可が必要になる。特定規格の消費者向けドローンも規制の対象になる。輸出規制は9月1日から実施される。
ネット上で発表された同省報道官の声明によると、規制対象に含まれない民生用ドローンは全て、軍事目的の輸出が禁止される。
声明ではドローン輸出規制の拡大について「責任ある大国として、世界の安全保障イニシアチブ遂行と世界平和の維持に向けて尽力する姿勢を示す」と説明。中国は「民生用ドローンを軍事目的に使用することに一貫して反対してきた」と強調している。
ウクライナの戦争ではロシアとウクライナの双方がドローンを利用。改造したり軍事目的に転用したりできる民生用ドローンが脚光を浴びている。
CNNの取材では、撃墜された中国製ドローンが改造され、ウクライナ軍を攻撃する武器として使用されていたことが判明。製造元のムギン社は、これが同社の製品だったことを確認し、「深い遺憾」を表明していた。
米国家情報長官室がこのほどまとめた報告書によると、今年3月の時点で中国は、1200万ドル(約17億円)あまりのドローンとドローン部品をロシアに出荷していたとされる。