ブラジルのボルソナーロ前大統領、投票機の操作試みか ハッカーが証言
(CNN) 昨年10月のブラジル大統領選挙に関連し、ブラジル人のハッカーが17日、当時のボルソナーロ大統領から電子投票機の不正操作の依頼を受けたと証言した。大統領選の結果と今年1月の連邦議会議事堂などの襲撃事件を調査する上下両院合同の議会調査委員会(CPMI)で語った。
ハッカーのウォルター・デルガッティ・ネト氏はCPMIに、昨年8月にボルソナーロ氏と面会した際、投票機へのハッキングを持ちかけられ、投票機の操作で逮捕された場合、恩赦を出すと言われたと明らかにした。
デルガッティ氏によると、逮捕された場合、「私が裁判官を逮捕させるから安心してほしい」などとボルソナーロ氏に言われたという。
デルガッティ氏はまた、投票機の脆弱(ぜいじゃく)性を突いて、投じられた票が別の候補者にいくよう、投票機の偽コードを作成する手法を考えたと明らかにした。
投票システムのソースコードは物理的に「インターネットにつながっていない保管室」にあるため、デルガッティ氏はソースコードにアクセスできず、偽コードを使った計画は頓挫したという。
デルガッティ氏は今月初め、司法関連システムへの侵入行為を働いたとして連邦警察に拘束された。
同氏の証言を受けて、ボルソナーロ氏の弁護団は政治団体に対する盗聴などの違法行為を否定。「デルガッティ氏は証言でうそをついている」などと主張した。
ブラジルの選挙高等裁判所は、昨年の選挙活動中に権力を乱用し、公共メディアを悪用したとして、ボルソナーロ氏の選挙への立候補の資格を2030年まで停止する決定を言い渡した。
ボルソナーロ氏に対しては、大統領退任後に複数の訴訟が起こされている。