豚インフルでブラジルの女性死亡の情報、米CDCが検体検査
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は、ブラジルで5月に豚インフルエンザのために死亡したと思われる42歳の女性について、検体の検査を予定していることを明らかにした。
検体が届き次第、ウイルスの感染力や危険性が高まるような変異がないかどうかを調べる方針。
CDCによると、ブラジルの保健機関が行った検査では、ブラジルで2020~22年にかけて人に感染した豚インフルエンザと今回のウイルスが遺伝子的に関係していることが示された。
CDCの報道官は「この患者がインフルエンザA型(H1N1)vに感染していたことの確認を最優先する」と説明。「ウイルスを分離することができれば、追加的なウイルスの特性評価を行う可能性がある」とした。
世界保健機関(WHO)によると、死亡した女性は自宅近くの養豚農家の作業員2人と濃厚接触があった。ただ、この2人のウイルス検査で陽性反応は出なかった。
WHOは16日の発表の中で、「これは散発的な症例だったとみている。今回、人から人への感染が起きた形跡はない。地域レベルで人の間で感染が拡大したり、人を介して国際的に感染が拡大したりする可能性は低い」と述べていた。
09年に起きたH1N1豚インフルエンザの世界的流行では、世界で推定15万1700人~57万5400人が死亡した。その後、当局や専門家が豚のウイルス感染に対する監視を強めている。
豚インフルエンザは通常、感染した豚と接触した人に発生する。感染すると、普通のインフルエンザと同じように発熱やだるさなどの症状が出る。