キーウ(CNN) 解任間近ともみられているウクライナ軍のザルジニー総司令官は自国について、主要な同盟国からの軍事支援の縮小に適応しなくてはならないとの認識を示した。その上で、ロシアとの戦争に勝利するためにはこれまで以上の強度でテクノロジーに注力する必要があると語った。
CNNのみに寄稿した論説の中で述べた。ザルジニー氏の今後を巡っては、様々な臆測が広がっている。
論説ではゼレンスキー大統領との関係や、同大統領から数日の内に解任の発表があるとする報道についての言及はなかった。
昨年11月、ザルジニー氏は英誌エコノミストとのインタビューなどでロシアとの戦争を膠着(こうちゃく)状態と形容。ロシアを利する言説だとしてウクライナ大統領府がこれに反論する事態となっていた。
今回のCNNへの寄稿で、ザルジニー氏による戦況の見立てに変化がないのは明白なようだ。
同氏は間接的に、米国が追加のウクライナ向け軍事支援パッケージで合意していないことにも言及した。昨年10月以降の中東情勢を受け、国際社会の注目がウクライナから離れている現実にも触れている。
さらに各国の対ロシア制裁が戦争継続の抑止に十分な効力を発揮していないとも指摘。多くは語らないものの、最終的にウクライナの命運を握るのは自分たちなのだとする考えを示唆した。
ザルジニー氏によれば、ウクライナ政府は同氏が求めた最大50万人の徴兵に対する全面的な支持を表明しなかった。これはロシアが兵力で圧倒的優位に立っているのを認めることに他ならないという。
大量の若い男女を戦場に送る政策が国民から支持されない社会にあって、遠隔操作のドローン(無人機)の使用がより受け入れられやすい戦闘の形態であることはザルジニー氏も理解している。
同氏は、ドローンをはじめとするハイテク戦力が戦闘行動だけでなく戦略に対する考え方全般にも革命をもたらしたと分析。「旧態依然とした型どおりの思考」に終止符を打つことだけが、最新の軍隊の勝利に寄与し得ると記した。