避難の住民数千人が病院に殺到、コンゴ民主共和国で戦闘激化
(CNN) アフリカ中部コンゴ民主共和国の北キブ州で、激化する戦闘を逃れようと数千人が病院に殺到し、対応が追い付かない状況になっている。国際医療支援団体の国境なき医師団が8日に明らかにした。
同国東部北キブ州(首都ゴマから約100キロ)にあるムウェソ病院には現在、子どもを含めて少なくとも2500人が避難している。医療施設には戦争で負傷した患者が次々に運び込まれているという。
「病院は手に負えない状態になっている。戦闘から何とかして逃れようと院内に数千人が詰めかけている。我々は保健省とともに全員を助けようと手を尽くしているが、食料など必要な物資が足りない」。国境なき医師団の調整員はそう語った。
コンゴでは国軍と反政府武装組織M23の戦闘が再び激化したことを受け、多数の市民が避難している。支援団体のセーブ・ザ・チルドレンは8日、この1週間で子ども7万8000人を含む少なくとも15万人が自宅からの避難を強いられたと発表した。
このほど現地を訪れた国連のジャンピエール・ラクロワ平和活動担当事務次長はM23に対し、即刻攻撃を停止するよう要求した。
国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の部隊は年内に同国からの撤退を完了する。国連部隊に対しては、M23などの武装勢力を抑えられなかったとして、撤退を求める抗議デモが続いていた。
国境なき医師団によると、北キブ州では2022年3月以来、武力衝突が激化して100万人以上が住む家を追われ、人道危機的状況に陥っている。